【その他】(2020年)原審破棄(最高裁)
概要
依頼者は、他人のクレジットカードを窃盗し、そのカードを利用して買い物をしたとして、詐欺罪で起訴されました。
弁護活動
第一審は、複数起訴された事件のうち、一部の詐欺事件については、被告人が犯人だと認められないとして、無罪の判決を言い渡しましたが、検察官が控訴しました。控訴審は、控訴審において何らの証拠調べをすることなく、無罪の判決を破棄し、有罪の判決(自判)を言い渡しました。
弁護人は、この控訴審の判決に対して最高裁への上告をし、控訴審の判断については、無罪を言い渡した場合に、控訴審において何ら事実の取調べをすることなく、訴訟記録及び第一審裁判所において取り調べた証拠のみによって、直ちに公訴事実の存在を確定し有罪の判決をすることは、刑訴法400条但し書きに反するとする最高裁判例(昭和26年(あ)第2436号同31年7月18日大法廷判決・刑集10巻7号1147頁、昭和27年(あ)第5877号同31年9月26日大法廷判決・刑集10巻9号1391頁)違反があることを主張しました。上告審では、刑法学者の意見を聞くなどして、上記判例の解釈や意義を詳細に検討し、いまもなお同判例を維持する必要があることを主張しました。上告審では、最高裁での弁論が開かれました。
判決結果等
最高裁は、控訴審の判断には判例違反があるという理由で、これを破棄し、控訴審に差し戻すとの判決を言い渡しました。
判決日:令和2年1月23日(最高裁判所刑事判例集74巻1号1頁)