【認定落ち】(2018年)傷害致死(傷害致死罪の成立を認めず暴行罪に認定落ち。免訴)
概要
病院で准看護師として働いていた依頼者らが、入院中の被害者に暴力をふるい、その結果、被害者に頸髄損傷等の怪我をさせ死亡させたとして、傷害致死罪で起訴されました。
弁護活動
本件の証拠として、依頼者らが被害者に対して暴力をふるっているようにも見える現場病室に設置されたカメラの映像がありました。弁護人は、映像解析の専門家の協力を得て、本件カメラ映像の特性を踏まえ、依頼者が暴力をふるったわけではなく、暴れる被害者が怪我をしないように押さえていただけであることを主張・立証しました。
第一審の裁判では、依頼者の共犯とされた准看護師1名について、何ら暴力をふるっていない上、依頼者との共謀もないという理由で、無罪判決が言い渡されました。そして、依頼者については、1回蹴ったという暴行行為が認定されましたが、その行為によって傷害結果が生じたとは断定できないという理由で、暴行罪の成立のみが認定され、罰金30万円の判決となりました(傷害致死罪の法定刑は、3年以上の有期懲役であり、暴行罪の法定刑は、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料)。
双方が控訴し、控訴審では、検察官は、事実認定に誤りがあると主張して、画像解析の専門家の証人尋問が行われましたが、基本的な事実認定は、第一審判決と変わりませんでした。
めずらしいことですが、控訴審において、検察官と弁護人の双方が、第一審判決には、同判決の時点で既に時効となっていた暴行罪の成立を認めたという点で法令適用の誤りがあることを理由に免訴の判決を行うべきであるとの主張をしていました。
判決結果等
控訴審では、第一審同様、暴行行為の存在は認定されましたが、検察官及び弁護人の免訴とすべきとの主張が認められ、罰金を命じた第一審判決が破棄され、免訴の判決が言い渡されました(双方上告無く確定)。
判決日:(第一審)千葉地方裁判所平成29年3月14日、(控訴審)東京高裁平成30年11月21日( LLI/DB 判例秘書 登載)