【認定落ち】(2016年)危険運転致死(危険運転致死罪の成立を認めず過失運転致死罪に認定落ち)
概要
対面信号が赤信号となっていた道路を走行中に、交差道路を走行中の二輪車に自車を衝突させて相手運転手を死亡させたとして、危険運転致死罪(自動車運転処罰法)で起訴されました。
弁護活動
依頼者(20代 男性)は、通勤途中の道路で、死亡事故を起こしてしまいました。弁護人は、依頼者は、赤信号に気付いた地点では、もはや急ブレーキをかけても安全に停まれない状態であったため、少しでも早く交差点を通過しようと考えて侵入したところ、交差道路を進行してきた二輪車と衝突してしまったという事故態様から、赤信号を「殊更に」無視したとは評価できず、危険運転致死罪ではなく、過失運転致死罪が成立することを主張しました。
検察官は、事故後の現場実況見分の際に、依頼者が「赤信号に気付いた」と説明していた地点で急ブレーキをかけていれば安全に停止できたはずだとの主張をしていましたが、弁護人は、実況見分を担当した捜査官の証人尋問や被告人質問の内容から、現場での依頼者の説明は捜査員の誘導の影響を受けた不正確なものであり、実際にはもっと交差点に近づくまで赤信号に気付かなかった可能性が否定できないことを主張・立証しました。
判決結果等
弁護人の主張を認めて、危険運転致死罪の成立を否定し、過失運転致死罪の成立にとどまることを前提に、依頼者が、誠意をもって被害弁償等を行ってきたことや今後の更生が期待できることなどを理由に執行猶予付の判決を言い渡しました(検察官控訴無く確定)。
判決日:千葉地方裁判所平成28年11月7日(判例タイムズ1436号243頁、LLI/DB 判例秘書登載)