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菅野亮弁護士が、日弁連のライブ実務研修「ブレインストーミングの公判活動への活かし方~法廷弁護技術をより効果的にするために~」の講師を担当しました

ブログ講演・書籍等

2025年3月
弁護士 菅 野  亮

   日本弁護士連合会では、定期的に、日弁連の会場でも、オンラインでも聴講可能なライブ実務研修を実施しています。

   今回のライブ実務研修では、「ブレインストーミングの公判活動への活かし方」と題する刑事弁護の研修でした。以下のような模擬弁護団会議風の流れで、どういうブレインストーミングをして、それがどう法廷活動に結びつくのかイメージをできる研修にしました。

   講師は、私以外に、坂根真也弁護士、赤木竜太郎弁護士、田中翔弁護士、戸塚史也弁護士、佐々木さくら弁護士、開原早紀弁護士で担当しました。

 

① 若手弁護士のブレインストーミング
  ↓
② 若手弁護士の反対尋問、最終弁論のリハーサル
  ↓
③ 先輩弁護士のブレインストーミングの足りていない点の指摘
  ↓
④ 改善した若手弁護士のブレインストーミング
  ↓
⑤ 改善した若手弁護士の反対尋問、最終弁論のリハーサル
  ↓
⑥ ブレインストーミングの目的、やり方等に関する講義

 

 この研修では、ブレインストーミングの改善点もなるべく具体的なものにしています。例えば、ブレインストーミングでは、「事実」を出すことが大切だと言われますが、そこでいう「事実」は、刑事弁護のブレインストーミングにおいては、具体的な生の事実で、かつ、最小単位の事実になります。

   最小単位の事実を意識してブレインストーミングすると、反対尋問で弾劾すべき事実が明確になりますし、有利な事実であれば、弁護側で立証すべき事実が明確になります。

   法廷弁護技術では、よく、「評価でなく、事実を語れ」などとクリティークされることが多いですが、ブレインストーミングで、事実を確認し、それを整理しておくことで、冒頭陳述、尋問、最終弁論で活かすことができます。

   また、不利な事実の説明についても、ある不利な事実に対して、どのような説明(反論)が可能なのか、一つ一つ検討し、その説明をベースに、事実のグループ分けをしたり、ケースセオリーを検討する過程を弁護団会議風の研修の中で見てもらうことにしました。また、実際の事件では、弁護人の主張に対して、検察官の反論が行われます。その反論を仮定して、弁護人の再反論を考えるプロセスも研修でやってみました。

   各地の法廷弁護技術研修において、ブレインストーミングをなんとなくやっている場合も多いのですが、実際の刑事弁護の活動の中で効果的なブレインストーミングをしておくことの重要性を伝えたいと思い、この研修を企画しましたが、法廷弁護技術やブレインストーミングに興味ある方の参考になれば幸いです。

   なお、この研修は、1年近く、何度も何度も実際に講師を担当した弁護士チームが準備してきたもので、その中で自分自身も勉強になることが多かったです。

 

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★