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Q 被害届や告訴は警察に行ったほうが良いのでしょうか。それとも検察に行った方が良いのでしょうか

よくあるご質問刑事事件

 警察は、とても巨大な組織であり、各県に警察本部があるほか、各地域に警察署や交番があって、そこで大勢の警察官が勤務するなど、人的・物的資源が豊富です。
  警察の犯罪捜査部門は、盗犯係、強行犯係、知能犯係、暴力係、少年係、交通捜査係など多岐にわかれ、現場鑑識や検視を専門とする警察官もいます。
  各県の警察本部には科学捜査研究所(通称「科捜研」)が設置され、指紋照合や筆跡鑑定等の科学捜査にも長けています。
  警察官であれば、独自のネットワークで、必要な捜査情報にも比較的容易にアクセスできます。

 一方、検察庁は、警察組織に比べると圧倒的に小さな組織であり、本庁支部を含めても各県に数カ所の窓口しかなく、検察官の数もそれほど多くはありません。
  多くの検察官が多数の事件を一度に担当しており多忙です。
  もちろん鑑識や検視を専門とする部署などありませんし、科捜研などの専門機関もありません。
  とはいえ、検察官は、法律の専門家であり、刑法等の法律知識に関する検察官の専門性は、警察官にそれに比べて優位と評価されています。

 そのため、例えば恐喝、傷害などの粗暴犯罪(警察では強行犯係が捜査を担当します)や、詐欺や横領などの一般的な知能犯罪(警察では知能犯係が捜査を担当します)の被害に遭った場合には、警察に被害届や告訴を行うことを勧めます。
  この種の犯罪捜査は、機動力と組織力に長ける警察が得意とするものだからです。
  これに対し、犯罪が成立するのかどうか疑義が生じかねない事案や、法的隘路(法的に検討しないといけない事柄)が比較的多い背任などの特殊な案件については、警察を通すよりも直接検察に告訴をした方が、理解を得られやすい場合があります。
  どちらが好ましいかは、実際の被害の内容や、証拠の内容によりますので、悩んだ場合は御相談ください。

2024年4月     

弁護士 金 子 達 也 

 

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★