警察学校での講義
2024年1月
弁護士 虫 本 良 和
昨年、千葉県警察学校で、研修の講師を担当しました。
講義の参加者は、千葉県内の現職の警察官であり、日頃から職務として被疑者の取調べを行っている方々でした。数日間にわたって、弁護士以外にも裁判官や検察官など法曹関係者に加え、供述心理の専門家など複数の様々な職種の講師を招いて開催される研修であるとのことでした。
警察学校での講義をさせていただくのは、昨年に続いて3回目でしたが、普段やっている弁護士や修習生向けに行っている講義や研修とは違った緊張感がありました。
今回の講義では、普段私が法廷技術に関する研修講師を務めるときによく取りあげている「主尋問」や「反対尋問」のポイントを紹介して、参加者の方にも簡単な実演をやっていただくという試みも取り入れてみたところ、参加者はすぐに要領を掴んで的確な実演をされていて、さすがだなという印象を受けました。
先日、参加者の方から講義に対するアンケートをいただきました。アンケートには、「非常に有意義だった」「一番わかりやすく印象的な授業内容であった」など、比較的好評な意見が多く、「弱い立場である被疑者を弁護する弁護人の役割について深く知ることができた」といった感想もありました。
取調べを行う警察官と取調べを受ける被疑者の権利を守る弁護人とは、どうしても対立する場面が多くなりますが、この国の刑事手続きを担う専門職として、お互いの考えを理解しながら、それぞれの職務を全うしていければ良いなと感じました。
★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★