相続登記が義務化されます
2023.07.18ブログ
今般、不動産登記法の改正により、相続人に対し、相続が開始したことを知り、かつ、不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に登記手続きをする義務が課せられることになります(不動産登記法76条の2)。正当な理由なく義務に違反した者について、10万円以下の過料の罰則規定も設けられました。
不動産を取得したことを知ったときとは、亡くなった方が不動産を所有していたことを知ったとき、という意味です。そのため、相続人間での話し合いがついていない段階でも、相続登記手続きを行う必要があります。
もっとも、相続登記をするには戸籍の調査等が必要になります。そこで、当事者の負担軽減のため、法務局に対し、自己が相続人であることを申告し、法務局において職権で付記登記をしてもらうことにより登記義務を果たしたものとされることになりました(不動産登記法76条の3)。相続人間の仲が悪いなどの理由で、とりあえず義務を果たしたい場合には、この方法による登記(相続人申告登記)をする方法が考えられます。
なお、後になって遺産分割が行われて所有権を取得した場合は、改めて、遺産分割の日から3年以内に登記手続きをする義務が生じます。
この改正法の施行日は、令和6年4月1日です。
弁護士 濟木 昭宏
★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★