台湾の「国民法官制度」のシンポジウムに参加しました
令和5年1月
弁護士 菅 野 亮
2023年から、台湾で、国民法官制度が始まりました(日本の裁判員裁判のように、刑事裁判に市民が参加する制度です。)。
台湾の国民法官制度は、我が国の裁判員制度を参考にして立法されたと言われており、今回のシンポジウムでは、裁判員裁判の経験を踏まえて日本の刑事法学者や実務家が以下の講演を行いました。
私も、コロナウィルス感染症もあり、実際に台湾での参加は難しかったのですが、日本からオンラインで参加し、裁判員裁判が始まってからの刑事弁護の変化等についてお話をさせていただきました。
「台湾国民法官制度が台湾司法の国民的基盤を確立するために-日本裁判員制度との比較から-」(四宮啓教授)
「国民法官制度における争点及び証拠整理の運用のために-裁判員裁判における公判前整理手続の経験を踏まえて-」(稗田雅洋教授)
「分かりやすい主張・立証-主として検察官の視点から-」江崎佳孝弁護士
「国民の司法参加と弁護」菅野亮弁護士
「裁判官と裁判員の協働-日本の裁判員制度の現状と課題」森本郁代教授
「裁判員制度における上訴の現状と台湾への示唆」後藤昭教授
他の先生方の講演は、台湾の国民法官制度を知る上で勉強となるものですし、他国の制度と比較して、裁判員制度を改めて考える契機となりました。
今後とも、台湾の国民法官制度や他の国の陪審・参審制度等にも興味をもって、そのような視点で裁判員制度の研究をしたいと考えています。
以上
★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★