コラム 改正少年法施行①「少年法改正の背景」
弁護士 虫 本 良 和
2022年(令和4年)4月1日から、改正少年法が施行されました。
主な改正のポイントとして、18歳・19歳を「特定少年」と定め、いわゆる「原則逆送事件」の対象を拡大したことや、推知報道(実名報道)の解禁などの特例を設けたこと等が挙げられます。
今回の少年法の改正と前後して、18歳・19歳の者の権利や法制度に関して、他の法律でも重要な改正が行われています。
具体的には、平成27年6月、公職選挙法等の一部を改正する法律が成立し(平成28年6月19日施行)、これまで20歳以上とされていた選挙権年齢について、18歳以上に引き下げられました。
また、平成30年6月13日、「民法の一部を改正する法律」が成立し、民法の成年年齢(親権に服することなく、一人で有効な契約等を行うことができる年齢)について、20歳から18歳に引き下げられることになりました。なお、この法律も、今回の改正少年法と同じく、令和4年4月1日から施行されています。
今回の改正少年法の内容は、選挙権年齢や民放の成年年齢の引き下げに関する法改正を背景にしながら、慎重な議論が重ねられてきたものです。
平成29年3月に法務省に設置された法制審議会少年法・刑事法(少年年齢・犯罪者処遇関係)部会での、約3年半にもわたる議論の経過は、法制審(法務省)のホームページでも公開されています(https://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_00296.html)。
★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★