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東京弁護士会で刑事弁護に関する研修の講師を担当しました

ブログ講演・書籍等

2021年7月
弁護士 菅 野 亮

東京弁護士会で,法廷弁護技術研修の講師養成研修の講師を担当しました。
今回の講師は,私,宮村啓太弁護士,そして坂根真也弁護士です。

宮村弁護士,坂根弁護士とは,刑事弁護に関する研修等で一緒になることも多く,また,一緒にアメリカで法廷弁護技術に関する研修(NITAの講師養成研修)を受けたこともある仲間です。

この研修は,法廷弁護技術研修の講師になるためのスキルを身につけるための研修で,弁護士会では,「講師養成」研修と呼ばれています。

具体的には,講師を目指す弁護士が,受講生役の弁護士の実演をみてクリティークをし,そのクリティークに対して,講師陣がコメントを行うというものです。

もともと受講生も講師を目指す弁護士も,刑事弁護の知識や熱意がある弁護士ですから,クリティークも基本的には問題ないものです。

法廷技術研修では,講師が,受講生に以下の4ステップでクリティークすることになります。

①適切な見出しを付ける
②問題点を正確に再現し,指摘する
③理由を説明する
④処方箋を示す(具体的な改善提案に沿った実演をする)

例えば,
①主尋問では,誘導しないでください。
②実演では,●●さんは,
「その歩行者側の信号の色は,青色でしたか」
「歩行者が車にぶつかったのは横断歩道の上でしたね」
「ひいた車は,現場から走って行きましたね」
と質問していますが,いずれも誘導尋問です。
③主尋問では,証人が主役ですから,できるだけ証人に語ってもらうことが大事です。そのためには,オープンな質問をしてください。
④こう尋問したららどうでしょうか。
 「信号の色は何色でしたか。」
 「車にぶつかったのはどこですか。」
 「ひいた車は,その後,どうしましたか。」

これは,頭で分かっていても,受講生の実演を見た直後に整理して行うのは,なかなか難しいです。得に受講生のレベルが高いと,コメントすべき問題点がなかったり,指摘した点が些末な揚げ足取りになってしまうこともあり得ます。

法廷技術は,刑事事件を担当する弁護士にとって必須の技術です。
講師になることをめざす熱意ある弁護士が多い東京弁護士会は素晴らしいと感じました。

以上

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★