菅野亮弁護士が企業向けパワハラ防止研修の講師を担当しました
菅野亮弁護士が,千葉県が実施している「ちば人権出前講座講師派遣」制度により,千葉県内の企業で,「パワハラ防止研修~withコロナ時代」を行いました。
企業内における各種のハラスメント(パワハラ,セクハラ,マタハラ,LGBTハラスメント等)は,個人の人格を傷つけるだけでなく,労働環境を害するものとして,企業においてその防止が求められます。2020年6月より,改正労働施策総合推進法等が施行されたことにより,職場のハラスメント対策は,事業主の義務となっています。
パワハラは,「職場内での優位性」を背景に,「業務の適正な範囲」を超える行為が該当すると言われますが,許される指導等もありますので,パワハラ該当性については,判例等の基本的な考え方を学ぶことも有益です。
なお,令和2年厚生労働省告示第5号も,パワハラに該当する行為を類型ごとに整理しています(①身体的な攻撃,②精神的な攻撃,③人間関係からの切り離し,④過大な要求,⑤過小な要求,⑥個の侵害)。この告示によれば,「人格を否定するような言動」,「必要以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返し行うこと」などが上記②の類型のパワハラ行為に該当する例とされています。他方,「遅刻など社会的ルールを欠いた言動が見られ,再三注意してもそれが改善されない労働者に対して一定程度強く注意すること」,「その企業の業務の内容や性質等に照らして重大な問題行動を行った労働者に対して,一定程度強く注意すること」はパワハラに該当しないとされています。
昨今,テレワークが増えていることから,つい,パソコン画面に映る私的領域に踏み込んだ質問をしたり,メール等による指示等がきつい表現になり相手にストレスを与えてしまう場合も増えています。テレワークが増えることにより,普段の何気ないコミュニケーションの不足が,ギャップを生んでいることもあるので注意が必要です。
このような人権出前講座の研修を通じて,社会貢献等できれば幸いです。
以上
★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★