菅野亮弁護士の論考が「季刊刑事弁護」(103号)に掲載されました
当事務所の菅野亮弁護士の論考が「季刊刑事弁護」(103号139頁・現代人文社)に掲載されました。
季刊刑事弁護では,現在,「ケース研究 責任能力が問題となった裁判員裁判」の連載が行われており,今回は,大阪高裁令1年7月16日判決が取り上げられています。菅野論文は,上記判決に関するコメントとなります。
大阪高裁令1年7月16日判決は,原審が,統合失調症ないし妄想性障害として心神耗弱であると認定した点を否定し(原審では,検察官及び弁護人において,診断名や心神耗弱であることに争いはありませんでした。),被告人は自閉スペクトラム症で,完全責任能力だと判断しました(ただし,量刑は,原審と同じでした。)。
菅野論文では,①統合失調症と自閉スペクトラム症の鑑別が問題となる事案の留意点,②自閉スペクトラム症の責任能力,及び③自閉スペクトラム症の量刑への影響等が論じられています。
この特集では,担当弁護人の活動報告及び精神科医である五十嵐禎人教授の論文もあり,様々な角度から事案の検討をすることができる構成となっています。近時,自閉スペクトラム症が関係する事件は増えていますし,弁護活動に参考になれば幸いです。
なお,「季刊刑事弁護」(103号)には,当事務所の虫本良和弁護士の「『痴漢被害誤解セオリー』に基づいて無罪判決を獲得した事例」も掲載されていますので,興味ある方はご覧下さい。
以上
★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★