刑事事件におけるDNA型鑑定③ 裁判を受けることになったら
2020.04.15ブログ
DNA型鑑定は、高い個人識別能力を有するとされるため、刑事裁判においては「決定的な証拠」として有罪の決め手であるかのように扱われることも珍しくありません。
しかし、DNA型鑑定によって「同一である」という鑑定結果が出たとしても、直ちに「犯人である」とか「有罪である」ということが認められるわけではない、ということに注意しなければいけません。仮に、現場となった被害者の自宅から採取された血痕と被告人とされた人のDNA型が一致するという鑑定結果が出たとしても、例えば、被害者と被告人が知り合いであり、事件と無関係の日に被害者宅を訪れて怪我をしたといった事実があったとすれば、被告人が犯罪を行ったと決めつけることができないことは当然です。また、鑑定資料が汚染されたり、取り違えられたりしたために、不正確な鑑定結果が出てしまうという危険性がないかという点も、きちんと検証する必要があります。
DNA型鑑定が重要な証拠となる刑事裁判を受けることになった場合には、弁護士に相談して、その鑑定結果の内容や位置づけを踏まえた適切な対応を決める必要があります。
★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★