イギリス便り④ ～ＥＵ法～
2020.02.10ブログ
現時点で，ＥＵ法は，ＧＤＬコースにおける必修科目の１つとなっています。
The European Community Act 1972により，ＥＵによって定められた法規が，イギリス国内で特段の立法をせずに直接効力を持つため，ＥＵ法を学ぶことはイギリスの法体系を理解する上で重要です。ブレグジット成立後の2019年2月時点では，ＥＵ離脱への移行期間として，ＥＵ法の直接的な効力は維持されています。ただし，今後のイギリスにおけるＥＵルールの適用は，不透明な状況です。
ＥＵ法は，主に1960年代以降に発展してきた新しい法分野です。また，当然のことながらＥＵ加盟各国に共通するルールであるため，条約等により明文化されたルールも多くあります。そのため，留学生にも比較的学びやすい法分野といえるかもしれません。
授業で主に学ぶのは，ＥＵの組織・機能やＥＵルールの国内法における効力といった総論的な内容と，物・人・サービスの自由移動に関する実定法的なルールです。また，時節柄，ブレグジットについても講義などで取り扱われています。ＥＵ法のダイナミックな動きを学ぶには良い機会となりました。
弁護士 中井淳一
