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『ケース研究 責任能力が問題となった裁判員裁判』が刊行されました

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私も,執筆した『ケース研究 責任能力が問題となった裁判員裁判』(現代人文社)が刊行されました(私は,事例④⑦⑨のコメントを執筆しました。)。
 日本弁護士連合会刑事弁護センターだけでなく,日本司法精神医学会・精神鑑定と裁判員制度に関する委員会の協力を得た本です。弁護士だけで作成される本は多くありますが,弁護士と精神科医が共同して一冊の本を作り上げることは珍しいです。
 本書では,責任能力が争われた裁判員裁判10ケースについて,①担当弁護人の報告,②事例に関する精神科医のコメント,③事例に関する弁護士のコメントという構成で,担当弁護人の報告だけでなく,中立的な視点から事案をみることが可能となっています。
 私が所属する日本弁護士連合会刑事弁護センター責任能力プロジェクトチームでは,日本精神医学会のメンバーと定期的な事例研究会を開催しており,今回,取り上げた事例は,協議会初期のころの10事例となっています。私自身が,執筆したのは3事例ですが,全ての事例について協議会で意見交換し,全ての原稿を確認しているので,やっと世に出せたとほっとしています。
 第1部は統合失調症圏,第2部は気分障害圏,第3部は物質関連障害・飲酒酩酊,第4部は,発達障害の事例を扱っています。
 弁護士のコメントは,私以外は,田岡直博弁護士,坂根真也弁護士,金岡繁裕弁護士というメンバーで,いずれも責任能力事件のエキスパートです。
 また,精神科医のコメントは,五十嵐禎人先生,田口寿子先生,岡田幸之先生,安藤久美子先生,中谷陽二先生,大澤達哉先生という司法精神医学会だけでなく,裁判の現場で多くの精神鑑定を手がけた先生方となっています。
 本書が,責任能力,あるいは精神鑑定が問題となる事案を担当する弁護士に参考になれば幸いです。

弁護士 菅 野  亮

 

 

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★