刑事事件における指紋 ②指紋の採取方法
2018.09.26ブログ
テレビドラマなどで、鑑識課の警察官が刷毛(はけ)の様なものを使って作業しているような場面が描かれていることがあります。犯行現場や凶器から発見される「指紋」ですが、いったいどのように採取するのでしょうか。
例えば、血の付いた指先で物に触れたといった場合に残る指紋であれば、比較的簡単に発見して採取することはできます。一方、汗や皮脂などが分泌された指先で物に触れた場合に残る指紋は通常無色透明なので肉眼で見つけることは困難です(このような指紋を「潜在指紋」と呼びます。)。
潜在指紋を発見して採取するための方法はいくつかありますが、その中のひとつが、「粉末法」と呼ばれる方法です。アルミニウム系など特別な配合がされた粉末を指紋が残っている可能性のある物体に振りかけて、透明の転写シートを貼り付けると、粉末が付着することによって指紋の紋様が確認できるようになります。テレビドラマでよく見かけるシーンは、おそらく、この粉末法による採取方法をイメージした演出ではないでしょうか。