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「控訴審」の弁護人について

2017.12.12ブログ

 日本の刑事裁判では、第一審の判決に不服がある場合には、控訴の申立ができます。

弁護人は、各審理の段階ごとに選任することになっているため、第一審の弁護人が、当然に第二審(控訴審)でも弁護人になるということはありません。

もちろん、私選弁護人を選任している場合には、依頼者(被告人)と弁護人が協議(契約)して、第一審を担当した弁護人に控訴審も引き続き依頼するということはできます。

一方、国選弁護人の場合、弁護人の選任は裁判所が行うため、仮に、被告人と第一審の国選弁護人の双方が希望していても、当然に控訴審でも同じ弁護人の「継続」(正確には控訴審で改めて国選弁護人に選任される。)が認められるという制度にはなっていません。但し、事案の内容や第一審の裁判の経過等の事情から、第一審の弁護人が引き続き担当する必要性が高いということを、高等裁判所に「上申書」等で説明すれば「継続」が認められることがあります。

そもそも、控訴審の弁護人を第一審と同じ弁護人が勤めることが有利かどうかは、事案によるもので、一概にはいえません。この点で悩んだ場合には、第一審の弁護人とよく協議する或いはセカンドオピニオンとして別の弁護士に相談してみることをお勧めします。

 

平成29年12月 虫本 良和