「符合」と「付合」の違い?
2017.10.12ブログ
同じ読みで違う意味の日本語はいろいろありますが,弁護士業務に関わるものもいくつかあります。
例えば,「ふごう」という言葉には,3つほど意味があります。
「符合」と書くと,2つ以上の事物がぴったりと合うこと。
「符号」と書くと,しるし・記号。
「付合」と書くと,2個以上の物が結合すること。
となります(広辞苑参照)。
マンションの登記記録には,「土地の符号」という欄があり,敷地権の目的となる土地を特定するために,符号1,符号2と番号が付されます。また,例えば土地に無断で苗が植えられた場合に,土地の所有者がその苗の所有権も取得するというような「付合」の制度が民法上定められていたりします(民法242条)。
そして,同じ読みで意味も変わらないけれど,使う場面によって,使う漢字が異なるものもあります。
「ひらやだて」という言葉は,1層の建築物を意味し,一般には「平屋建」と書かれることが多いように思いますが,登記記録上は「平家建」と記載されます。また,「ふぞく」という言葉は,主となるものに付いていることを意味し,「付属」と書かれることも多いですが,法令や公用文等では「附属」と記載されます。
弁護士の仕事は,言葉を扱う仕事です。細かな違いにも気をつけて,日々の業務を行っていきたいと思います。