千葉地裁における倒産事件の動向
平成22年2月27日,全国倒産処理弁護士ネットワークの関東地区研修会が千葉で開催されました。
研修会では,①「中小企業再生支援協議会の最近の動向」について報告があり,支援案件の具体的成功事例やいわゆる第2会社方式での再生手法についての説明がありました。
また,②「弁護士として知っておくべき倒産処理に伴う税務上の諸問題」と題するパネルディスカッションが行われ,弁護士・税理士等のパネラーによる非常に有意義な議論を聞くことができました。
近時,管財人として事件処理をする中で,税務上の問題が生じることも多く,また源泉徴収義務に関する最高裁判決もいずれ出ると予想される状況で,まさにタイムリーな研修会でした。
研修では千葉地裁の倒産事件の動向についても報告がなされました。
倒産事件件数は,全国的に減少傾向が続いていましたが,リーマンショック等の影響もあったのか,平成21年の千葉地裁管内の倒産事件の件数は,3746件と前年の3512件よりも多くなっています。
【千葉地裁 破産事件数】
新受件数 対前年比
平成17年 5428件 -39.4%
平成18年 4389件 -24.1%
平成19年 3859件 -13.0%
平成20年 3512件 - 5.9%
平成21年 3746件 +10.2%
法人の倒産事件数はさほど増えていませんので,自然人の破産申立件数が多くなっている状況がうかがえます。
なお,研修会が盛況であったため,当事務所スタッフにも会場の受付などを休日にもかかわらずお願いしてしまいました。
この場を借りて御礼申し上げます。
菅 野