第3回法廷弁護技術研修
2008年11月15,16日の土日を使って,「法廷弁護技術研修」を企画し,日本を代表する刑事弁護人の髙野隆さんと四宮啓さんをお迎えし,研修会を実施しました。
当事務所の弁護士3名は当然参加ですが,企画段階からスタッフ2名にも加わってもらい,朝のコーヒーの買い出しや,当日の受講生の実演のビデオ撮影まで本当に事務所全員でとりくんだ研修でした。
髙野さんのオープニングスピーチは感動的でしたし,髙野さんと四宮さんの緻密な理論と豊かな経験に裏打ちされたテーマごと(主尋問・反対尋問・冒頭陳述・最終弁論)の講義も素晴らしいものでした。いずれ,何らかの形でアップしたいと思います。髙野さんのいう「法廷での『魂』のある弁護活動」を目指そうと思った若手弁護士も多いと思います。
受講生としては,若手弁護士が多かったものの,ベテラン弁護士も傍聴し,また裁判官も複数名傍聴し,その場で,貴重なご意見をうかがうこともできました。
現在の刑事裁判実務では,①捜査段階で作成された調書の取扱,②保釈の運用,③任意性の判断枠組み,④証拠開示範囲の拡大など,⑤法廷での被告人がスーツにネクタイ・革靴(但し,スリッパのような構造のようですが。)の着用が可能になるなど,少しづつではありますが,重要な変化があらわれています。
そして,来年には,裁判員裁判が始まり,さらに刑事裁判に大きな変革をもたらすことは確実です。市民が司法に参加し,より健全な裁判になることを目標にすることになりますが,そのための弁護人の在り方を研究し,依頼者のために最大限のリーガルサービスを提供していかなければならない,そんなことを改めて感じています。
私自身は,当日は検察官役として論告等の実演を行いました。
事務所のスタッフからは,「怖い」の一言。
裁判官からは,「明日から,検察庁に行ったほうがいいのでは」と言われました。
複雑な心境です。
報告者 菅野