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千葉地裁で実施された「管財人協議会」の報告

2008.01.18ブログ

2008年1月18日,千葉地方裁判所における管財人協議会
報告者 菅野
 破産管財人として経験豊富な2名の弁護士から,「破産管財手続と税金」,「最近の法人倒産の同行について」と題する講演があり,「個人再生の留意点・再生委員の立場」と題する講演を当事務所所属弁護士の菅野亮が行った。

 「破産管財人と税金」
 税務処理のプロではない弁護士が,管財人として法人の倒産処理を行うなかで,限られた財産の中から費用をかけてどこまで税務処理を行うかについては現実問題としては,悩ましい問題である。また,これまで否定説の立場からの運用がなされた破産管財人の源泉徴収義務を肯定する地方裁判所の裁判例(大阪地判平18.10.25 判タ1225号172頁)が出たことから,理論的にも議論が活発になされているところである。
 「法人倒産の動向」
 司法統計(年報)によれば,新受の法人破産事件は,ここ数年減少を続け,平成15年に8951件,平成16年に8401件,そして平成17年に8256件であるが,平成18年になって8522件と微増している。もっとも,千葉においても,他の地区と比較して,特に景気がいいわけではないと思われるが,自然人・及び法人の破産事件新受件数は,減少している。
 「個人再生の留意点・再生委員の立場」
 個人再生手続は,通常再生事件と異なり,コンパクトで簡易な手続きではあるが,他方,再生債権の手続内確定や清算価値保障原則等の考え方など,通常再生とは多少異なる視点で考えなければならない問題点も多い。
 協議会では,具体的な事案(架空)を念頭に以下のような論点につき,議論がなされたが,興味深い点は,弁護士側の協議会参加者と裁判所側で考えが異なる部分もあることである。今後,そういった個々の論点については,千葉地裁と千葉県弁護士会が,倒産法運用検討協議会で議論を深めて実務上の指針等を打ち出して欲しい問題と言える。
 ① 個人再生と否認
 ② 清算価値保障原則の判断時期
 ③ 過払金の扱い
 ④ 現金,敷金等を清算価値との関係でどう判断するか
 ⑤ 会社からの借入と給料・退職金の問題
 ⑥ 破産法の自由財産と個人再生の清算価値の関係 etc
以 上