全倒ネット関東地区第21回研修会に参加しました
7月7日に千葉市で全国倒産処理弁護士ネットワーク関東地区第21回研修会が開催されました。今回の研修会は3部構成で行われました。
第1部では,「千葉地方裁判所管内における倒産・再生事件の動向/倒産申立てに関する留意事項」をテーマに,千葉地方裁判所の裁判官1名及び書記官2名から講演がありました。近年は,いわゆる金融円滑化法の影響で,倒産事件数自体は微増にとどまっているものの,今後同法の期限後には,事件数の増加が見込まれるとの見解が示されました。そのうえで,申立代理人の倒産手続における役割の重要性について強調されているように感じられました。
第2部では,「第三セクターの法的処理における特殊性」をテーマに,パネルディスカッションが行われ,当事務所の菅野弁護士がパネリストとして参加しました。第三セクターが行う民事再生の場合には,議会の承認等の手続が必要となることがあり,スケジュール設定が極めて重要であることが報告されました。また,第三セクターをめぐる損失補償契約の有効性を判示した平成23年10月27日最高裁判決についても議論がなされました。
第3部では,「経済的危機に陥った企業から相談を受けた弁護士が留意すべき点~経営者が陥りやすい罠」をテーマに,パネルディスカッションが行われ,引き続き菅野弁護士がパネリストとして参加しました。危機に陥った企業の決算書にあらわれる特徴について報告がされました。また,金融機関,公認会計士・税理士,申立代理人,破産管財人の各立場から見た詐害事例についての意見交換もなされました。
金融円滑化法の期限後には,倒産事件の相談・依頼が増加することが予想されます。法人破産申立や民事再生について,私達若手弁護士も一層研鑽を積まなければいけないと強く認識することとなり,大変有意義な研修でした。
報告者 塩野