英文契約書作成の実務③~通知(notice)~
英文契約書では、契約の相手方に送付する“Notice(通知)”の方法を定める条項を置くことが一般的です。多くの契約では、契約の解除や更新などの重要な局面で通知を求めるため、通知の方法を明確に定めておくことは、契約書の作成において重要なポイントの一つです。
日本国内の取引における通知の場合には、文書の郵送という方法で足りるかもしれませんが、英文契約書の作成が必要になるような国際的な取引の場合には、最近ではEメールによる通知も契約上有効な通知の方法に含めることが多いように思われます。
また、特に国際的な取引において、郵送による文書の送付を通知の方法に含める場合には、到着日が不確定なため、発送日から一定期間経過後の到着を擬制することがあります。そのような場合には、”Notice“について定めた条項の中に、”deemed to have been received seven business days after mailing(発送日から7日後に到着したものとみなす)”といった表現を加えることになります。
Eメールによる通知の場合にも、相手方のIT機器の不具合もあり得るため、Eメールの送信をもって、受信されたものと見なす旨の条項を加えることもあります。
英文契約書を用いて契約を締結する場合、その後の取引において、通知の時期が問題になることも十分に想定できるため、“Notice”に関する条項は慎重に検討することが重要です。
弁護士/英国弁護士 中井淳一
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★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★