「事務所会議」のある風景
当事務所では,毎月,全員参加の事務所会議を実施しています。
今回は,事務所会議においてどのようなことを行っているか報告したいと思います。
連絡事項や業務に関するニュース等は,日々,事務所内のメーリングリストで情報提供したり,口頭で伝達していますが,事務所会議においても全員で確認しています。例えば,千葉地裁の民事第4部(破産・再生係)の運用に変更があった場合などは,私が倒産法運用検討委員会に所属して,裁判所との協議会にも出席しているので,変更になった点や事情を把握しているため,変更の趣旨も含めて,他の弁護士やスタッフに伝えるようにしています。
事務所会議においては,事務連絡以外にも,①ヒヤリ・ハット報告,そして,②研修,があります。
ヒヤリ・ハット報告とは,日常業務を行う中で,ミスをしてしまい(もしくは,ミスしそうになって)ヒヤリとさせられる事案を,各自が報告することですが,重要なことは,報告だけでなく,今後,同様のミスがどのようにすれば防げるかを検討し,必要があればマニュアル等を作成し,ミスの再発を防ぐことです。
もちろん,マニュアルがあっても,その問題点を忘れてしまうとマニュアルが陳腐化してしまいますので,なぜそのような事務処理上のミスが致命的なのかを理解するためには,幅広い弁護士業務の「研修」が必要なところです。
そして,研修ですが,最近は,加藤弁護士が相談役の弁護士,私が,相談者役として,ロールプレイの法律相談を行う形式の研修を継続的に行っています。
事案は,「NBL」,「金融法務事情」等に掲載された過去の裁判例(特に,地裁と高裁で判断が異なった事案が多い)をベースにしているので,単純なものではありません。そのような問題について,弁護士役が,①的確に情報を聞き出しているか,②説明が法律的に正しいか,③説明が分かりやすいか,といった評価項目について,周りで見ている他の弁護士・スタッフ等が後に弁護士役に対して指摘することになります。
また,その他の研修として,法改正等があり,重要な事項については,担当者を決めて講義形式で研修を行うこともありますし,夏休みの番外編研修として,各弁護士が,重要であると思われる裁判例10件ずつそれぞれ検討し,問題点等を議論するという研修も実施しました。
弁護士という職業である以上,葛西臨海水族園で泳ぐマグロのように,知識の海の中で泳ぎ続けることになりますが,そういった生活を楽しみながら,これからも質の高いリーガルサービスの提供が出来るように努力したいと思っております。
報告者 菅野