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一部の共有者の所在が不明な不動産の処分方法について

2023.05.16ブログ

 共有者の一部の所在が不明な不動産がある場合、今までは、共有物分割請求訴訟により、共有物を競売し、又は代償金を支払って取得するなどの方法が取られていました(改正民法258条。改正民法により、代償金の支払いによって持分を取得することができることが明示されました。)。

 今般、改正民法により、裁判所に申立をすることで、所在等が不明な共有者(所在等不明共有者)の不動産の持分について、その代金を供託して取得したり(改正民法262条の2等)、所在等不明共有者の持分と合わせて不動産の持分全部を第三者に譲渡することができるようになりました(改正民法262条の3等。譲渡代金の持分相当額についても裁判所から供託を命じられます)。

 申立人は共有者の誰でもよく、所在がわかっている共有者全員で行う必要はありません。

 供託金額は、最終的には裁判所の判断になりますが、専門家の評価や固定資産評価額等を基準にするものと考えられています。

 なお、供託金額を裁判所が決めると言っても、持分の価額が確定的なものになるわけではありません。仮に供託金額よりも実際の時価相当額が上回った場合において、その後所在等不明共有者が現れた場合、持分を取得・譲渡した共有者に対し、時価相当額(実際は供託金額との差額)を請求することができるとされています。

 この改正法の施行日は令和5年4月1日です。

弁護士 濟木 昭宏

 

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★