法テラス定期実務研修を受講して得たこと
2月13日及び14日に,法テラス主催の定期実務研修に参加させて頂きました。
研修の内容は,民事刑事双方の演習が中心でした。
民事演習では,判断能力の低下が見られる高齢者が依頼者であるという設定でした。
そのような設定の下で,うまく事情を説明できない依頼者からの法律相談での聞き取りの仕方,依頼者の主張を裏付ける証拠が少ない中で受任の可否をいかに判断すべきかという点を13日に検討しました。
また14日には,効果的な反対尋問のやり方や確定判決に基づく債権執行を行うに当たって必要な知識などを学びました。両日を通して,言わば民事事件のスタートからゴールまでについて研修を受けることが出来ました。
各検討事項について,受講者同士で意見交換をする機会が多く,色々な視点から各問題点を考察できたことが非常に有益でした。
刑事演習においては,13日は模擬の初回接見演習を行い,14日は事前検討課題に基づいて裁判員裁判における弁論についての演習を行いました。
初回接見演習では,自白している被疑者を身体拘束から解放するために必要な弁護活動や否認している被疑者に対して行うべきアドバイスについて,密度の濃い演習を受けることが出来ました。
裁判員裁判における弁論についての演習では,弁護人として量刑について意見を主張するに当たり,その根拠を理論的にわかりやすく伝えることの重要性,そして難しさを体感しました。
各演習を通じて,名高い講師陣の方々から鋭い指摘を受け,非常に刺激的な2日間になりました。
今回の研修では,弁護士は確たる答えがない問題に対しても,多角的な検討を行って自分なりのベストな選択をして行かなくてはいけないということを痛感しました。今後は,研修の成果を活かして,今まで以上に意識を高く保ち,弁護士業務に邁進していきたいと思います。
報告者 佐藤 圭