金子弁護士が、産業医研修会で「産業医の法的責任とリスク」について講演しました。
2022年12月
弁護士 金子達也
労働安全衛生法の改正により産業医の役割は従前以上に大きくなり、それに伴い、産業医の責任も重くなってきたと言われています。
産業医研修会は、このような時代のニーズを踏まえて、既に現場で活躍されている産業医に、産業医の実務の内容を再確認するとともに更なるスキルアップを図っていただくために、一般社団法人日本衛生管理者ネットワークが行う研修です。
従来、この研修では、労働安全衛生管理の実務に携わる産業医、社会保険労務士及び薬毒物専門家などの先生方が講義を行っていました。
しかし、近時は、ドクター・ハラスメント問題に象徴されるような、産業医が抱え込みがちな法的トラブルも散見されるため、そういった問題を未然に防ぐためにどうしたら良いか、あるいは、そういった問題が生じた場合にどう対処すべきかを伝えるため、弁護士である筆者も講師の一員に加わることになりました。
そして、令和4年12月11日、筆者の初回講演を行いました。
ここでは、医師法などの各種法制に基づき「医師・産業医とは何か」、「産業医が本来行うべき業務は何か。逆にやってはいけないことは何か」について整理した上、「ドクター・ハラスメント」問題にも焦点を当てて、具体的な裁判例を紹介しながら、問題の実情や、予防のヒントなどについて講義しました。
講演後、研修員からいくつかの御質問をいただきましたが、いずれも、現場ならではの切実な悩みや問題意識に関するものであり、示唆に富む御質問でした。
この講義は、今後も定期的に行わせていただくことになります。
研修員からの質問で伝えられた鋭い問題意識も踏まえて、より良い講義を行えるよう、更なる裁判例調査等の研鑽を行い、産業医としての業務に役立てていただきたいと思いました。
★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★