BBC ドキュメンタリー（Carlos Ghosn: The Last Flight）
2021.09.10ブログ
先日、BBCで、カルロス・ゴーン氏に関するドキュメンタリー番組が放送されました。同氏の過去のキャリアから日本での逮捕・起訴と逃走劇に至る一連の経緯をまとめた９０分間の長編のドキュメンタリー番組となっていました。BBCがゴーン氏への独自インタビューを行っており、そのインタビュー内容が番組の中心的内容でした。ただし、番組全体としては、複数のジャーナリスト等のコメントも参照されており、一定程度には中立性が保たれていた印象です。
その上で、欧米のメディアというフィルターを通してゴーン氏の逮捕・勾留や保釈に関する経緯を見ると、やはり長期間の起訴前勾留という日本の刑事司法の異質さが際立ちます。特に、ゴーン氏が一度保釈された後、記者会見を行う意向を表明した直後に再度逮捕された点はドキュメンタリーでも強調されており、当事者対等からかけ離れた国家権力の行使との印象を視聴者に与えるものとなっていました。また、二度目の保釈後にゴーン氏が妻との接触を禁止された点についても、同様に番組ではスポットを当てられていました。
このドキュメンタリー番組自体は、日本の刑事司法をテーマとしたものではありません。ただ、外から見える日本の司法制度の問題点について、改めて考えさせられる内容でした。
https://www.bbc.co.uk/news/business-57760993
弁護士 中井淳一
★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★
