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菅野亮弁護士,高岡祐子弁護士が,千葉県信用保証協会で,民事執行法・債権法・相続法改正が債権回収に与える影響に関する研修の講師を担当しました

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 令和3年3月5日,菅野亮弁護士,高岡祐子弁護士が,千葉県信用保証協会で,民事執行法(2020年4月1日施行)・債権法(2020年4月1日施行)・相続法改正(2019年7月1日施行)に関する研修「債権回収に関する法改正を確認する」の講師を担当しました。

 近年の,民事執行法,債権法,相続法の改正点は多岐にわたりますが,今回の研修では,債権回収業務においてポイントとなる点について,講義を行いました。
 特に,改正民事執行法では,財産開示手続の制度の見直しが行われ,債務者が財産開示手続の期日に出頭しなかった場合等の罰則が強化されたり(6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金),第三者からの情報取得手続が新設され,預貯金や,給与に関する情報等,強制執行の対象となる債務者の財産をこれまでよりも幅広く調査することが可能になっています。
 これらの改正は,債権回収を行う上で重要な改正ですので,研修では,どのような場合に手続を利用できるか,債権者として事前に確認するべきポイント等について,講義をし,実際に,第三者からの情報取得手続を利用して回収につながった事例の紹介を行いました。

 また,債権法改正についても,2020年4月1日以前に契約が成立していたとしても,契約の更新,弁済の充当及び時効の完成猶予等に関しては経過措置を定めた附則により新法が適用になります。連帯保証人に関する規律のように,新法と旧法のいずれが適用になるかで公正証書による意思確認等が必要になるものもあるので,基準時の考え方についても研修で話をしています。

 新型コロナウィルスの感染拡大の影響で,会場の人数は最小限にし,オンラインで他の会場とつなぐなどの工夫をしての研修となりましたが,実際に日々債権回収業務にあたられている職員の方々からの質問等もあり,有意義な研修になったかと思います。

 財産開示手続の罰則の強化に伴って,裁判所の呼び出しを無視した債務者が,民事執行法違反(陳述等拒絶)で書類送検されている事例もあり,改正法の下で,より実効的な債権回収が可能になることが期待されます。

 

2021年3月8日

弁護士菅野亮・弁護士高岡祐子

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★