イギリスの弁護士資格
2020.05.28ブログ
イギリスの弁護士資格の大きな特徴は、バリスタとソリシタという2つの資格が存在することです。
バリスタは、法廷弁護士で、基本的には訴訟のみを業務として扱います。バリスタ登録者数は、1万2700人程度とされています(2018年時点)。
ソリシタは、事務弁護士などと訳され、依頼者からの法律相談や書類作成など、訴訟外での法律業務を基本的に取り扱います。イギリス国内には、約13万人のソリシタ登録者がいるようです(2018年時点)。
バリスタとソリシタを合わせると、14万人以上の法曹人口となります。イギリスの総人口は、およそ6500万人と日本の半分程度なので、1人当たりの法曹人口には、イギリスと日本で大きな開きがあることが分かります。
歴史的には、バリスタとソリシタの業務分野の棲み分けははっきりしていましたが、近年は、現在では、一定のトレーニングを受ければソリシタも法廷活動をできるなど、棲み分けは相対化してきています。2つの資格を融合した制度にするという議論も一部では出ているようです。
また、バリスタかソリシタかを問わず、イギリスの弁護士は、ほとんどの場合、1つの法分野(刑事、不動産、特許など)のみを取り扱っており、専門家の傾向が顕著です。
弁護士 中井淳一
★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★