お知らせ・ブログnews & blog

千葉県千葉市の弁護士事務所 法律事務所シリウス > お知らせ・スタッフブログ > ブログ > 最高裁判所の傍聴記

最高裁判所の傍聴記

2020.03.30ブログ

 事務局になって初めて,最高裁判所で,刑事事件の弁論を傍聴しました。
 千葉地方裁判所で行われる刑事事件の公判については,これまで何度か傍聴する機会がありましたが,最高裁判所は,民事事件・刑事事件ともに,これまで機会に恵まれず,今回ようやく,当事務所の菅野亮弁護士と中井淳一弁護士が担当した刑事事件で,弁論が開かれることになり,そこに同行する形で,傍聴が実現したものです。
 最高裁判所は,地方裁判所のように,全ての事件で弁論が開かれるわけではなく,毎日法廷が開廷されているわけでもないため,弁護士であっても,そう簡単に代理人・弁護人として法廷に立つことができるわけではないそうです。
 永田町の駅を降り,少し歩くと最高裁判所が見えてきました。外壁は石造りで出来ており,重厚さと品位を感じ,建物のデザインからも魅了されました。裁判所から指定された門に到着し,弁護士とは,ここでお別れ。弁護士は裁判所の職員の方に引率されて最高裁判所の中に。一方,一般傍聴人としての私は,法廷まで辿り着くまでに,裁判所内でセキュリティチェックなどの手続きがありました。
 そこを通過すると,大きなホールのような場所があり,そこで,本日の裁判についての概要が要約された資料が配布されました。地方裁判所などでは,裁判の概要が書かれた資料などは配布されないため,裁判所が一般の方に向けた資料を個別事案について作成していることに驚きました。事務所の他の事務局にも持ち帰ろうかと思ったところ,一人1枚限りとの記載がされていたため,大切にその一枚を持ち帰りました。
 その配布資料に目を通していると,今回法廷が開かれる小法廷へ続く階段に案内されました。
 階段を登り,ようやく法廷に辿りつきました。
 最初に目に入ったのは,法廷の真っ正面奥に大きな扉。その前には裁判長が座る大きな椅子が並んでおり,法廷内の天井も高く,ここが,日本最高峰の司法の場かと思いながら,どこかヨーロッパの教会を思わせるような,日本ではない場所のようにも感じました。一方,その空間(法廷内)には,凜とした空気が流れており,どこか背筋が伸びるような,緊張感を覚えました。
 法廷内に進み,私は,向かって右手と左手のどちらが弁護人側の席なのかを確認し,左側であることを裁判所職員に教えてもらい,弁護人・検察官の両方の席が見えやすい場所に腰を下ろしました。傍聴人の席までも,地方裁判所とは違う立派な椅子でした。最近は,弁護人の横に着席することが増えたとはいえ,基本的には,被告人は法廷の真ん中にぽつんといる法廷を見慣れている私にとって,真ん中の被告人席がなく,左右に分かれた机をみたときには,なぜかTVでみたイギリスやアメリカの法廷を思い出しました。
 裁判所職員から,法廷内でのマナーなどの説明が入り,次に検察官・弁護人の入廷があり,開廷までの静寂の時間。
 その静寂の中に,響き渡った起立の号令と共に扉が開き,初の私の最高裁弁論傍聴がスタートしました。
 検察官,弁護人の順に弁論が行われました。
 ここ最近,裁判員裁判を多く傍聴していたため,弁論要旨を読み上げるスタイルは,久々で新鮮さを感じつつ,いつもは緊張するようにみえない,菅野弁護士も少し緊張しているのではないかと感じたのは気のせいかもしれませんが。
 弁論終了後,周りを見渡すと,記者以外にも,裁判所職員も,傍聴していることに気づきました。
 あとから知ったのですが,私が裁判所職員と思っていたのは,調査官と言われる裁判官の方々でした。
 今回の裁判は,これまでの判例が変更されるかどうかという重要な事案ではありましたが,今回の傍聴に限らず,今後も傍聴を定期的にしたいと思います。事務局は,基本的に事務所内部での仕事が多いため,傍聴することで,弁護士が裁判所でどのような仕事をしているのか,民事裁判・刑事裁判がどのようなものなのかを知る貴重な体験・経験となります。それを知った上でさらに,弁護士のサポートおよび依頼者のニーズにより応えられたらと思っております。
 上告趣意書を提出してしばらくしてからイギリスに留学してしまったため,最高裁判所で弁論することができなかった中井淳一弁護士にも経験してもらいと思いました。

 

★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★