【強制退去の回避】在留期間満了間際に逮捕された外国人被疑者について,関係機関の協力を得ることで,在留期間満了前に罰金・釈放となった事例
取扱事案
依頼者は,外国人技能実習生でしたが,同国人の知人に頼まれて自己名義の預金通帳やキャッシュカードを交付して暗証番号を教えたという,犯罪による収益の移転防止に関する法律違反(同法28条2項前段,1項前段。1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)の罪で逮捕されました。
この罪は,通常は罰金を納めれば釈放されるような案件でした。
しかし,依頼者は,働いたお金のほとんどを母国の家族に送金していたようであり,罰金として納める所持金がありませんでした。
その上,依頼人は,技能実習生としての在留資格満了に伴い一旦帰国するものの,近い将来には再び来日して日本で働きたいという強い希望を持っていました。しかし,逮捕された時期が技能実習生としての在留期間が満了する直前であったため,逮捕・勾留が長引けば不法残留となって強制退去とされてしまい,一定期間,日本への入国を拒否されてしまうリスクもありました。
結果
依頼者を技能実習生として受け入れたNPD法人や依頼者の実習先などに協力を求め,NPO法人の担当者を介して依頼者の母国にいる家族と連絡をとり,罰金として納めるお金を日本に送金してもらうことができました。
そこで,担当検察官にも,依頼人の在留資格の問題や日本での就労意欲があることなどを伝えて理解を求め,できるだけ早期の罰金処理を求めました。
その結果,依頼者は,在留期間満了前に略式手続により罰金を納めて釈放され,強制退去とされることもなく,再び日本に来られる可能性を残して母国に帰国することができました。
★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★