刑事事件における防犯カメラ動画と人間の記憶
2018.08.03ブログ
刑事事件の弁護人として，事件の場面が直接映った防犯カメラの動画に接したときには，人間の記憶の限界を感じることが多くあります。
例えば，路上での喧嘩という傷害事件が防犯カメラに映っていたとします。被害者の話も，加害者の話も，防犯カメラに映った正確な状況とは，大なり小なり違ってしまうということがほとんどだと思います。
短い時間の間に起きた出来事について，いくら印象に残ったとしても，正確に記憶し，その記憶をきちんと保持して，さらに正確に言葉で表現するということは，非常に難しいことなのだと実感します。
刑事裁判において弁護人として関わるに当たっては，人間の記憶の限界については謙虚に認識し，弁護活動を行っていく必要があると感じています。
弁護士 中井淳一
★千葉市の弁護士事務所『法律事務所シリウス』より★
