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婚姻適齢について

2017.10.02ブログ

現行の民法において,男性は18歳に,女性は16歳にならなければ婚姻をすることができない旨定められています(民法731条)。この,結婚することができる年齢を婚姻適齢といい,婚姻適齢に達しない者の婚姻は,後に取り消すことができるとされます(民法744条1項)。
このように,男女で異なる婚姻適齢が定められているのは,身体的,精神的に婚姻に必要な成熟に達する年齢には,男女の間に差異がある(女性の方が成熟が早い)ことに由来するとされています。
しかし,最近では,国連の女性差別撤廃委員会や子どもの権利委員会等から日本政府に対し,婚姻適齢を男女同一にするよう勧告が出されるなどしており,法務省法制審議会は,婚姻適齢を男女とも18歳にするよう,答申をしています(平成8年2月26日法制審議会総会決定(民法の一部を改正する法律案要綱))。
諸外国においても,何歳と定めるかは区々であるものの,婚姻適齢に男女差を設けていない国が多く(例 イギリス,イタリア,オーストラリア,ドイツ,フランス,韓国等),婚姻適齢に男女差を設けることは合理的な区別でないとする意見は日本でも多く見受けられます。
また,民法の成年年齢が18歳に引き下げられた場合,現行法の婚姻適齢の規定によれば,男性は成人しなければ婚姻できないのに対し,女性は未成年でも婚姻できることとなるという意味でも,男女間に差異が生じるとの指摘があり,今後,婚姻適齢は男女とも18歳に揃えられることとなる可能性が高そうです。
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