菅野亮弁護士が「反対尋問研修」(東京弁護士会)の講師をしました
菅野亮弁護士が,東京ディフェンダー法律事務所の坂根真也弁護士と,東京弁護士会主催の「反対尋問研修」の講師をしました。
反対尋問の研修というと,日弁連では,尋問技術の「型」の研修(どう訊くか)が多いのですが,この研修では,ケース・セオリーを意識して,反対尋問を考える,いわば「何を訊くのか,訊かないのか」という点に焦点をあてた研修です。
研修では,まず,反対尋問の実演をしてもらう前に,当該証人の信用性に関する最終弁論をしてもらい,その後に反対尋問の実演をしてもらいます。
そうすると,次のような課題が浮き彫りになります。
① そもそも,説得力のある弁論なのか?
(→具体的証拠関係を前提にした場合に,そのケース・セオリーでいいかの議論)
② その弁論をするために不必要な事実を反対尋問で獲得していないか?
(→反対尋問の獲得目標を再検討)
③ その弁論をするために必要な事実が反対尋問で獲得できていないのではないか?
(→同上)
④ そもそもこの証人から,ある事実を聞き出せるという前提に問題がないか?
(→証人の供述調書・想定される主尋問の分析は十分か?)
⑤ 聴き方に問題はないか?
「型」の研修とは異なり,上記の視点などを指摘し,受講生と議論しながら反対尋問で「何を訊くべきか」を考える研修でした。
全ての訴訟活動の前提として,ケース・セオリーを徹底的に考えることの重要性を改めて認識した1日でした。
以上